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顧客事例

Google Cloud を利用して状況の変化に適応している英国とアイルランドの 8 企業

2020年7月31日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2020 年 7 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。 

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は、世界中のすべての人の日常に影響を及ぼしています。家族、地域社会のあり方、働き方が大きく変わろうとしています。このような大きな変化に直面している企業の多くは、その規模にかかわらず、新たな現実を受け入れ、方向転換をする必要があることに気づいています。私は、英国とアイルランドのお客様が今まさに実践している取り組みから刺激を受けています。それでは、実際の取り組みをいくつかご紹介しましょう。 

慈善活動を支援し、最も弱い立場の人々へのケアを継続 

慈善事業を展開する Barnardo’s 社は、1 世紀以上にわたり、英国全土でサポートを必要としている何千人もの子供の生活の向上を目指して活動してきました。ロックダウンで Barnardo’s 社は大きな打撃を受けました。社員、子供たち、同社が支援しているコミュニティとの交流を保つことが難しくなったのです。COVID-19 が拡大している間も活動を継続することが重要でした。そこで Barnardo’s 社の社員は G Suite を利用して日々の交流を続けました。 

一部のチームは Google Meet を使って、支援している子供たちと交流しました。「このチームは、ロックダウンまでは子供たちと対面して支援活動を行っていました」と Barnardo's 社のトランスフォーメーションおよびエンゲージメント担当リード、Trevor Lawson 氏は述べています。「物理的な距離はありますが、Google Meet を利用することで、チームのメンバーは子供たちとオンラインでつながって、子供たちとゲームをしたり、ダンスの振りを共有したり、おはなしを読んであげたりしています。」 

どのような状況でもビジネスをオンラインで維持 

ロンドンを拠点とするフィンテック企業 Revolut 社は、世界中に 1,200 万の個人顧客と企業顧客が利用する優れた金融サービスアプリを提供し、ユーザーが 150 以上の通貨で自分の資産にアクセスできるようにしています。Revolut 社は昨年、カスタマー サポートの社員を Chromebook を使える環境に移行しました。社員が使用するツールの大部分はブラウザベースで稼働し、増大する顧客ベースに対応しています。この移行のおかげで COVID-19 の影響下でも業務を滞りなく行っています。ロックダウン中もサポートの社員は、個人や企業の顧客がどこにいてもサポートできました。Revolut 社が Google Compute Engine 上にアプリを構築したことで感じているメリットは、スケーラビリティです。アプリの使用量が増えても、Google Compute Engine は必要に応じたスケールアップやスケールダウンが可能です。「当社の数百万の個人のお客様と、数十万の企業(コーヒー ショップから大企業まで)のお客様が、ご自分の口座にいつでもアクセス、管理できることが必須です」と Revolut 社の CTO、Vlad Yatsenko 氏は述べています。「お客様には、ご自身の財務状況の見やすさと管理のしやすさから当社をお選びいただいています。」 

非常に多くの人が自宅で仕事をしているため、個人も企業も今までになくインターネットとオンライン サービスに依存するようになっています。アイルランドでは、200 万人以上の顧客が、電話、ブロードバンド、モバイル、TV サービスで通信企業の eir 社を利用しています。同社が自宅への勤務体制に移行する際、社員はサービス提供を継続するため、自分たちの勤務体制とプロジェクトを速やかに再編成しなければなりませんでした。社員は G Suite を利用することで、IT 管理者の手を借りずにファイルとドキュメントを Google Drive で簡単に共有できるようにしました。また、Google Meet で対面型の会議ができるため、その利用率が 315% 増加しました。「G Suite を利用することで、ロックダウン中のリモートワークへの移行がスムーズに行われました。光ファイバー ネットワークの延長など、当社のプロジェクトもそのまま続けられ、お客様に最も適したサービスを引き続き提供できました」と eir 社 IT 運用担当ディレクター、Roisin Clancy 氏は述べています。 

COVID-19 が小売店に及ぼした影響は深刻で、特に実店舗には甚大な影響があります。英国政府から自宅待機命令が発令されたのは、家具を扱う DFS 社が G Suite への移行を進めている最中でした、同社はすでにこの命令に対応できる準備を整えていました。重要なドキュメントの Google Drive への移行が早まり、自宅からの勤務に関するガイドが社員に配布されました。DFS 社の上級管理職は、ロックダウンから数分後には Google Meet 上に集結し、今後の戦略について協議していました。その次の日には、社員の安全確保のため、協議で決まった計画を実行に移しました。つまり、配達を休止し、DFS 製造センターと流通センターを閉鎖したのです。政府からの発表が更新されるたびに、上級社員が Google ドキュメントGoogle スプレッドシートGoogle スライドを使ってリアルタイムで協議し、最新かつ正確なガイドを離れ離れになっている DFS 社員に提供し続けたのです。 

ロックダウン時に地域に食料を供給するスーパーマーケットとレストランを支援 

自宅待機になると、食事の場も自宅になります。そのため、英国全体で数十万人が Just Eat 社を利用するようになりました。同社は 2001 年から英国で食事の宅配サービスを提供しています。ロックダウンで食事の宅配の需要が大幅に増えた一方、Just Eat 社ならびに同社と提携している数千軒のレストランも、他業種と同じ COVID-19 関連の制限に直面しました。Just Eat 社では、すでに多数の社員が G Suite を利用して自宅から勤務できるようになっていたため、完全なリモートワークへの移行ソリューションを、業務を中断せずにスムーズに実現できました。 

Just Eat 社は、社員の安全確保を最優先にしたうえで業務を続ける一方で、国民保健サービス(NHS)の職員が割引で宅配を利用できる重要なプロモーション キャンペーンも取りまとめました。同社は複数の政府関係者ならびに地域社会の関係者と連携し、Google Meet を利用して数週間でこのキャンペーンを実行に移すことができました。「このキャンペーンがこれほど迅速に実施できたのは、開発チームとコマーシャル チームが NHS と話し合うことができたからです」と Just Eat 社の CTO、Richard Haigh 氏は述べています。「このように連携がうまくいくことが、素早く反応するために欠かせない条件です。連携に正当な理由があると非常によい成果が得られます。」 

世界中の食料品店では、ロックダウンが続く状況下で、オンラインでの宅配が急増しています。この環境で、Ocado Technology 社はロックダウン前よりも 40% 多く食料品を宅配することで、英国のパートナー店を支援しています。加えてロックダウン中により多くの顧客にサービスを提供して食料品店をサポートするため、フランス、カナダ、スウェーデンの食料品店向けに新たな e コマース体制を確立しました。Ocado Technology 社は Google Cloud を利用して、ロックダウン中も業務を続行し、顧客の食品注文を処理する同社独自のボットグループのメンテナンスをリモートで監視する、人間のオペレータのサポートも続けています。「当社の適応状況には非常に満足しています」と Ocado Technology 社の CEO、James Matthews は述べています。「当社のテクノロジーへの投資が効率性向上にどれほど貢献しているか、もっと評価されるべきでしょう。」 

困難な時期における市民への最新情報の提供をサポート 

多くの人が情報の入手にメディアを利用しています。COVID-19 の状況下では、メディアの役割は特に重要になっています。The Telegraph 社のニュースルームでは、編集会議が過密なスケジュールで毎日のように開かれています。この会議では編集者とジャーナリストが一緒になって重要なニュースについて協議し、報道範囲を計画、取りまとめます。ロックダウン政策の発令後は、実際に集まることができなくなりました。そのため The Telegraph 社は、まだポータブル デバイスを持っていなかった社員に対し、持ち運べて価格も手ごろな HP Chromebook を支給しました。これで、いつもと変わらずスケジュールを組むことができ、編集会議は Google Meet や Google Chat で行えるようになりました。技術的な問題によって慌ただしいニュース サイクルのペースが低下することもありませんでした。 

フットボール シーズンの中断で、英国の多くの市民が大きな失望を味わいました。しかし The Football Association(FA)は、ファンと選手が交流を続けられるよう、懸命に対応しています。The Lionesses(イングランド女子フットボール代表チーム)は、1 週間に 1 度の Google Meet による対話を市民に案内しています。この対話はイングランドのフットボール選手である Jill Scott 氏と Karen Bardsley 氏が主催しています。選手と The FA がまったく新しい方法でサポーターを支援し、ファンと交流する場となっています。「COVID-19 の影響は誰にとっても深刻なものです。」と Scott 氏は述べています。「この対話にチームとして積極的に参加することはチームにとっても励みになり、こんなときこそファンに感謝と笑顔を届けることができています。」 

この状況が続く中、こちらで取り上げた企業、ならびに英国内外の多くの企業が今までに経験したことのない課題を解決するために活用できるよう、Google Cloud は信頼できるテクノロジーを提供することに取り組んでいます。これからも Google は、お客様とお客様の家族が健康で安心して過ごせるよう全力でサポートいたします。Google は、お客様が新しく安全な働き方を受け入れ、社員の交流を維持しながら成長を目指すために、皆様がさまざまな方法で Google のテクノロジーを活用されていることに刺激を受けています。今後もお客様の目標の達成をお手伝いできるよう努めてまいります。

- Google Cloud EMEA プレジデント Chris Ciauri

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